書評 5点の本: 2006年1月アーカイブ
![]() | 思い出トランプ 向田邦子 新潮社 1983/01 定価:¥ 420 アマゾンで詳細を見る |
包丁は十円玉で研ぐといい。
じゃがいもの芽とハッカを一緒に食べると死ぬ。
絹糸でイボを結ぶと腐ってとれる。
よくこんな話作ったなと思います。
去年の新潮文庫の年末年始のキャンペーンじゃないけど、
今、読んでみたい本のBest3に
向田邦子の「父の詫び状」がある。
様子見のつもりでこの本を購入。
筆者は観察眼がすごいので、
よけいに楽しみになりました。
実際、短編なので、
事件性がほとんどなし、
何書いてたか忘れた。
でも、他人の日常生活なんか聞いても
ぜんぜん面白くないはずなのに、読ませる。
相当回数再読にたえれそうな本。
長くても一冊に4日もかけないのだけれど、
この本は、一週間ぐらいかけて、
13篇のうち、一日3篇以上は読まずに大事に読んだ。
直木賞受賞作
書評(10点中) 5点
趣味は「読書」:思い出トランプ
![]() | ローマ人の物語 (1)(2) ― ローマは一日にして成らず(上)(下) 新潮文庫 塩野七生 新潮社 2002/05 定価:¥ 420 アマゾンで詳細を見る |
警備員の雑踏整理の経験だと、
何千人もの相手に、
「そっちいったら駄目です!」
なんて、
一人で叫んでいても聞いてもらえるものではなかった。
三国志で曹操が逃げる兵士を斬りつけ、
英雄のように、
「逃げるものはわしが斬る」
みたいなシーンがあるけど、
曹操の斬ったシーンを見えてた兵士って、
何万人中の何百人なんだろうって思ってしまう。
銃器のないころの兵士なら、
逃げるタイミングを見計らいながら、
長い槍を遠くからつついている。
誰かが逃げ出したら我先に逃げる。
勝ちが決定的になったら、
戦利品をとるために我先に奪う。
一人が逃げ出したら皆が逃げるため
大勢が決まると勝負は早い。
篭城戦以外は、
実際の戦国時代も決戦は長くても一日もかからないのは
僕が兵士ならそういう感覚で従軍するだろうから、
すごく納得がいきます。
そういう個人の感覚で読んでしまうため、
戦術どうこう以前の、
そんなに上手に集団を操作できるのと疑問に持ってしまって
しっくりこないです。
実際博物館で、馬印なんて見ると、
やっぱりこんなにでかいんや
じゃないと目立たんわなぁ
と、まだまだ戦争にはイメージとの乖離があります。
この本を読んで、
僕が、直接税が兵役だけのローマ市民ならば、
市民権を使って、
一番、戦争しそうじゃない人を選ぶ、
そして、ローマは戦争しませんでした。
戦争がないので兵役がなく、直接税はありませんでした。
平和な国や。
ってなると思う。
外に戦争を仕掛けて広がらなかった、
ギリシアの方がしっくりくる。
でも、実際の歴史は戦争ばかりしている。
平和なら払わなくていい税を払っている。
じゃあ、どうしてか?
こんなしょうもない疑問にも
この本は直接的ではないにしても
ローマ人の生活や気質にも
言及しているので、
そうなんかなぁとおもうところがあって面白いです。
僕の考える臆病で平和なローマにならなかったのは、
ローマの貴族制が
クライエンスとパトローネスの関係が
司馬遼太郎の「功名が辻」の
祖父江新右衛門のように、主従のつながりが密で
主の栄達が、従にもダイレクトに影響したから
一生懸命戦ったのかな、
みたいなことを考えて読んでました。
再読
書評(10点中) 5点
趣味は「読書」:ローマ人の物語
![]() | 恋文 連城三紀彦 新潮社 1987/08 定価:¥ 420 アマゾンで詳細を見る |
大人ってのは、嘘をつけることだ、十九年前の晩の自分の言葉を構治は今でも忘れていない。(略)馬鹿だよ、あいつ、(略)無理して大人の真似なんかやらなくてよかったんだ―― 新潮文庫P204よりたまたま選んだ本(ラ行の作家を探してただけ)が、 まるで教科書や、 試験にでてくるような内容の小説だった。
前半で登場人物の設定を説明して、
ある事象が起こって、
登場人物の感情が起伏する。
問題
なぜこの事象で
(引用文されているとこで)
登場人物の気持ちが変わったのでしょう?
答え
ある設定(過去や性格など)をもつ登場人物は...
って感じ。
内容がマンネリって意味じゃなくていい小説でした。
文庫に5作の小説が収録されていますが、
5作とも
我慢して嘘をついて泣いています。
一番発見だったのは、
僕は、家で読む小説と
細切れでも読みやすい持ち歩き用の小説と
分けていましたが、
それ以外にも、
50ページぐらいの短編より少し長い小説って
帰宅して寝る前のひと時に、
ちょうどいいぐらいのページ数と思いました。
直木賞受賞作
書評(10点中)5点
読みやすさ +0.5点
趣味は「読書」:恋文
![]() | お父さんのバックドロップ 中島 らも 集英社 1993/06 定価:¥ 380 アマゾンで詳細を見る |
「親だから尊敬しろっていうのはりくつになっていないよ。尊敬できる親と、そうでない親とがある。それがあたりまえなんじゃない?」 「ほう、じゃ、聞くが、おまえは、おれのどこがそんなに尊敬できないんだ。」 「どこがって......。どこを尊敬しろっていうんだよ。」 新潮文庫P30より日常を生きているお父さんが、 サクセスストーリーでもなく、 子供のために、 少し子供っぽい背伸びするというお話。
中島らもは、テレビで見て
奇をてらっているという印象だった。
奇をてらう人の小説は、
変わってるだろっていう
下意地が見えたとき、
ひどく興ざめする危険性がある気がして
敬遠してきました。
たまたま、古本市場から500円の金券が年賀状できたので
行ったけど、いい本がないので購入。
けど、
印象とまったく違って、
中島らもはやさしい小説を書く作家だった。
美味しいものを最後に食べる僕は、
34ページあたりを読んでて、
しまった。こんな代表作を最初に読むんじゃなかった。
と後悔したけど、
止まらず一気に最後まで読んでしまいました。
書評(10点中) 5点
読みやすさ +1点
趣味は「読書」:お父さんのバックドロップ



