書評 6点の本: 2007年11月アーカイブ

恐るべき子供たち (光文社古典新訳文庫)表紙
恐るべき子供たち
コクトー
光文社 2007-02-08
定価:¥ 540
262ページ
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鉄の処女・エリザベートと、
雪の若者・ポールの姉妹は
世間と隔離された「子供部屋」で
夢想と現実を織り交ぜた遊戯で
毎日を過ごす。
無垢で残酷で脆い姉弟の愛憎劇。

本を読んで、感想を書く前に、
他の人の感想をネットで読んだら、
自分が思ってたところと、
他人が焦点を当てるところが
違ってたので、困った本。

「子供部屋」と遊戯と、
現在のニートを結びつけるような感想が
あるのかなと期待してたらなかった。
代わりに
解説の影響もあってか、
悪魔的な美少年のダルジュロスと引っ付けて
悲劇的な結末が運命付けられた話
というのを、クローズアップしてる感想が多かった。
ダルジュロスがポールの運命を左右する人物はわかるけど、

あらかじめ神のような絶対者によって運命を決定された人物たちが演じる純粋無垢の運命悲劇といえよう。

光文社古典新訳文庫P249解説より
っていうのは言い過ぎの気がする。
運命って言ったって、
ストーリー=運命が、作者のさじ加減で決まるのは小説全部一緒だし。

僕は、
小説の最初に書かれている、
(長いので自分の好みでまとめると)

子供は動物や植物に似た本能をもち、
独特の儀式を秘密裏に行っている。
その儀式は、
計略や、生贄や、即決裁判や、脅迫や、
拷問や、人身御供が付きものであるが、
その内容は独特の隠語を使うので、
ほとんど子供にしか理解できない。

というのを、
二人の姉弟が体現した小説と思った。

タイトルの
「恐るべき子供たち」
恐るべきはこの儀式のことを言っているのと思う。
原題も
Les Enfants Terribles
で複数ぽいし、
恐るべきは、
ダルジュロスでも、エリザベートの最後の行動(って書いてるのもあったけど)
のような特定のものをさしてるんじゃない思った。
訳なのでよくわからないけど、
恐るべき手を洗うエリザベートっていう
変わった記述が最後のほうにあるけど
この恐るべきも
儀式が下された手をって意味と思った。

関連がわからないけど、
恐るべき子供ってフランス語で用語があるらしいですね。

とにかく、
いろんな解釈してしまうぐらい面白い。
訳もいい。
光文社古典新訳文庫はいい。
いつか、一度岩波で挫折した、
カラマーゾフの兄弟を光文社古典新訳文庫で読むぞ。

書評(10点中) 6点

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