2004年11月アーカイブ

痴人の愛 谷崎潤一郎痴人の愛
谷崎潤一郎
新潮社 1985/00
定価:¥ 660

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私は彼女の足下に身を投げ、跪いて云いました。 「よ、なぜ黙っている!何とか云ってくれ!否なら己を殺してくれ!」 「気違い!」 「気違いで悪いか」 「誰がそんな気違いを、相手になんかしてやるもんか」 「じゃあ己を馬にして、いつかのように己の背中へ乗っかってくれ、どうしても否ならそれだけでもいい!」 私はそう云って、そこへ四つン這いになりました。

新潮文庫P367より引用


真面目なサラリーマンの主人公が
年下のナオミに散々に金を使われ、
若い男や外国人の男と浮気されながらも、
ナオミの肉体に溺れているので
喜んでいいなりになってしまう、というお話。

あとがきに、「愚」への称揚は、谷崎文学の重要なテーマを形づくる。
とかなんかとか、難しいことは
まったく分らないけど、作品として面白いです。

重松作品ぐらいのいじめになると引くけど、
夫婦善哉のように、
ダメ夫に何時までも起こっても愛している妻。
痴人の愛のように、
いくら裏切っても何時までも喜んで騙されて続ける夫。
のような
マゾ的作品は好きです。

書評(10点中) 7点
個人的につぼ +0.5点
趣味は「読書」:痴人の愛

恋 小池真理子
小池真理子
新潮社 2002/12
定価:¥ 740

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学生時代、知っていた或る男子学生は、飼い猫の柔らかな腹を撫でていると、なぜか知らぬうちに勃起してくるのだ、といった。 新潮文庫P144より
一人の女性が起した発砲事件。 その裏には隠された秘密があった。というお話。 直木賞受賞作品。

同じ小池真理子の「欲望」がすごくよかったので、
楽しみに購入しました。
同じようなテーマを扱いながら、明らかに格が「欲望」の方が上。
書かれた時と同じように「恋」を読んで「欲望」を読めば
テーマがより明確にわかっていいと思うけど、
「欲望」の後に「恋」を読むと物足りなさを感じます。

「欲望」の三島由紀夫に続き、
こんなやつ、いないだろっていう衝撃はありました。
小池真理子の官能的は話は新鮮。

書評(10点中) 4点
趣味は「読書」:恋