2005年7月アーカイブ

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幻世(まぼろよ)の祈り―家族狩り〈第1部〉 天童荒太幻世(まぼろよ)の祈り―家族狩り〈第1部〉
天童荒太
新潮社 2004/01
定価:¥ 500

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<社会性?この病んだ社会に適応することが、本当に必要ですか>

新潮文庫P197より


前に読んだ「孤独の歌声」で天童荒太のファンになってしまいました。
何がいいかというと、台詞がいい。かっこいい。
(悪い意味じゃなくて)くさい台詞をさらっと言ってしまうところがいい。
まだ一巻なのでとても楽しみです。

書評(10点中) 6点
趣味は「読書」:家族狩り

泳ぐのに、安全でも適切でもありません 江國香織泳ぐのに、安全でも適切でもありません
江國香織
集英社 2005/02
定価:¥ 480

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「泳ぎがうまかろうか拙かろうが、一度水に入った者がそんなこと言っていられるか」
細かいところはうろ覚えですが、「月と六ペンス」の主人公の好きな台詞です。 はじめ、「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」の表題を見たとき、 この台詞と関係あるのかと思い購入しました。 実際は「月と六ペンス」と繋がりはなかったみたいです。

「月と六ペンス」の激情に狂いまくっていた主人公と違って、
「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」は、
日常に満足をしていないが、かといって、特に不幸でもない女性の話です。

泳いでことから、
必死に抜け出そうとあがいてる「月と六ペンス」と
肯定的に受け入れてるわけでないが、
価値も見出している
「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」。
主人公の行動は違うけどテーマとして通じているところがあるなと思いました。

書評(10点中) 4点
読みやすさ +0.5点
趣味は「読書」:泳ぐのに、安全でも適切でもありません

変身 他一篇 カフカ変身 他一篇
カフカ
岩波書店 2004/09
定価:¥ 420

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この数十年のあいだに、断食芸人の人気はすっかりがた落ちになった。かつては、自前で大がかりな断食興行をうつことがよい儲けになったものだが、今日ではまるでお話にならない。時代が変ったのだ。 岩波文庫P111より引用
本屋で「断食芸人」という題で引き付けられ、書き出しを読んで衝動買いした。おそらくジュンク堂などの椅子のある本屋なら最後まで読まされていたと思・う。 2004年に「変身 他一篇」から改版して表題を「変身・断食芸人」をしたようでそれで断食芸人に気がついた。

「変身」は、
ある朝、男が起きれば毒虫になっていた。
それでも、遅刻した理由を考え会社に行こうとするが...というお話。
「断食芸人」は、
断食してやせ細る人間を檻の中に入れて興行の見世物にするという話。
興行になっているうちはよかったが、
人気にかげりがみえ始め断食の日数も数えてもらえなくなり、
動物小屋と並んで檻の中で黙々と断食をしている男の話。

「変身」は再読。一回目は新潮文庫だと思う。
のちのち残る印象は「変身」の方が強いかもしれません。
話題にしやすいのも「変身」。
しかし、主人公が起き上がったりする場面などが読んでいてくどい。
最近「断食芸人」ほど熱中できる小説がありませんでした。
推理小説のラストを読んでいるぐらいのテンションで
いきなり、最初から最後まで我を忘れて読みました。


「変身」書評(10点中) 6点
「断食芸人」書評(10点中) 8点
趣味は「読書」:変身

サラリーマンよ 悪意を抱け
赤川次郎
新潮社 1984/01
定価:¥ 540

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速読するために、エジソンなど、伝記の簡単なものを読むのですが、 赤川次郎ほど速度に適した作家もいないと思います。 ただ、作品が多すぎて何を読んだか忘れてしまうため、 文庫の目録の最初から読むことにしました。 新潮文庫はまずこの本。

「サラリーマンよ 悪意を抱け」は初期の作品で、
作品のところどころで給料が8万円など物価の面で時代を感じるが、
ストーリー的には古いところを感じさせない。

サラリーマン系の話は赤川次郎がサラリーマンを
辞めたばかりの初期の方が面白いかなと思っていたらそうでもなく、
後の作品の方が哀愁を感じて好きです。

集録されている「われら、同胞たち」の、
どうせ死ぬのなら会社で死んだほうが遺族の補償がまったく違う。
会社員で死ぬときは会社で死ぬほうが遺族のためになる。
死体を会社に置いてこよう。
という考え方は新鮮。

書評(10点中) 3点
読みやすさ +0.5点

またたび回覧板 群ようこまたたび回覧板
群ようこ
新潮社 1998/12
定価:¥ 500

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5ページ程度のエッセイで、サザエさん感覚のたわいのない生活の面白エッセイ。
どうでもいいやん、作家の群の日常なんか私に役するところがないって感覚で読んだら、まったく面白くないエッセイだと思う。
正直、よく出てくる化粧などの話題は実感しない部分があって、ふ~んって感じでした。

確かにある程度は面白い。
でもかえって逆になんでこれほどに夏の100冊に選ばれてるのかが分らないので、群さんの小説に興味をもちました。
絵画自体はよくわからないけどこの絵画なんでこんな大金で売れてんねんやろ、みたいな感じであと何冊か群さんの小説を読んでみたいと思いました。

書評(10点中)3点
読みやすさ +0.5点
趣味は「読書」:またたび回覧板

玉人 宮城谷昌光玉人
宮城谷昌光
新潮社 1999/05
定価:¥ 460

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初めて読んだ宮城谷作品。宮城谷作品はたいてい長編なので、初めて読んで長編ではずれだったら嫌だなと、避けてました。
今回古本屋で売ってた事もあり、短篇を読んだんですが、正直、小説としてはまあまあ。でも、宮城谷の長編を読んでみたいなと思わせる小説でした。
解説で宮部みゆきが「6つのミステリー、6つの恋物語」って書いてましたが、内容がミステリーというより、女性自体をミステリアスに書いてると思いました。(三四郎の美禰子さんチックというか)

書評(10点中) 4点