「ローマ人の物語 (1)(2) ― ローマは一日にして成らず(上)(下) 」塩野七生

ローマ人の物語 (1)(2) ― ローマは一日にして成らず(上)(下)    新潮文庫 塩野七生ローマ人の物語 (1)(2) ― ローマは一日にして成らず(上)(下) 新潮文庫
塩野七生
新潮社 2002/05
定価:¥ 420

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時代小説で戦争ものはしっくりこない。

警備員の雑踏整理の経験だと、
何千人もの相手に、
「そっちいったら駄目です!」
なんて、
一人で叫んでいても聞いてもらえるものではなかった。

三国志で曹操が逃げる兵士を斬りつけ、
英雄のように、
「逃げるものはわしが斬る」
みたいなシーンがあるけど、
曹操の斬ったシーンを見えてた兵士って、
何万人中の何百人なんだろうって思ってしまう。

銃器のないころの兵士なら、
逃げるタイミングを見計らいながら、
長い槍を遠くからつついている。
誰かが逃げ出したら我先に逃げる。
勝ちが決定的になったら、
戦利品をとるために我先に奪う。
一人が逃げ出したら皆が逃げるため
大勢が決まると勝負は早い。

篭城戦以外は、
実際の戦国時代も決戦は長くても一日もかからないのは
僕が兵士ならそういう感覚で従軍するだろうから、
すごく納得がいきます。

そういう個人の感覚で読んでしまうため、
戦術どうこう以前の、
そんなに上手に集団を操作できるのと疑問に持ってしまって
しっくりこないです。

実際博物館で、馬印なんて見ると、
やっぱりこんなにでかいんや
じゃないと目立たんわなぁ
と、まだまだ戦争にはイメージとの乖離があります。

この本を読んで、
僕が、直接税が兵役だけのローマ市民ならば、
市民権を使って、
一番、戦争しそうじゃない人を選ぶ、
そして、ローマは戦争しませんでした。
戦争がないので兵役がなく、直接税はありませんでした。
平和な国や。
ってなると思う。
外に戦争を仕掛けて広がらなかった、
ギリシアの方がしっくりくる。

でも、実際の歴史は戦争ばかりしている。
平和なら払わなくていい税を払っている。

じゃあ、どうしてか?

こんなしょうもない疑問にも
この本は直接的ではないにしても
ローマ人の生活や気質にも
言及しているので、
そうなんかなぁとおもうところがあって面白いです。

僕の考える臆病で平和なローマにならなかったのは、
ローマの貴族制が
クライエンスとパトローネスの関係が
司馬遼太郎の「功名が辻」の
祖父江新右衛門のように、主従のつながりが密で
主の栄達が、従にもダイレクトに影響したから
一生懸命戦ったのかな、
みたいなことを考えて読んでました。

再読
書評(10点中) 5点
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