「海と毒薬」遠藤周作

| | コメント(0) | トラックバック(0)
海と毒薬 遠藤周作海と毒薬
遠藤周作
新潮社 1960/07
定価:¥ 380

アマゾンで詳細を見る
太平洋戦争中の米兵を人体実験を題材に 人間は自分を押し流すものからどうしてのがれられないか、 良心や倫理観から、押し流すものを抗うことが出来ないか、 日本人の罪の意識を問う作品。

昨日読んだ、ローマ人の物語で、
自由・博愛・平等と高らかに唱えれば唱えるほど、
実現が遠ざかる気がする。と塩野七生が書いてあった。
理念を高々に唱えると胡散臭くなるという意味では、
生命の尊重も、同じだと思う。

この本は、生命の尊重など高らかに叫ばず、
人間は自分を押し流すものから逃れられない人の話。

僕も、海と毒薬の戸田のように、
一般に言われてるような、
自発的な良心の呵責と一致しない気がして
他人の死、他人の苦しみに無感動な自分が不気味に思う。
どうも、頭が極端なのか単純なのか、
もし、他人の死に敏感なら、募金で破産してるし、
ダウンタウンの松本ではないが、
「食料のない子供たちに...」っていうぐらいなら、
子供作らんといてくれよって思う。

かといって、
ナイフで刺す子供の気持ちが分かるわけでもなく
刺したら、
相手が痛いって感じが想像つかない(伝染しない?)んだろうか
って、何十箇所も殺傷しているニュースを聞くと思う。

うまくやってきたね。だが大人をだませても東京の子供は騙されないよ。 新潮文庫P125より
初読の時に一番印象に残った場面。 やっぱり、関西の先生より、 東京の子供のほうがすごいんやぁ。って頭を抱えてしまった。

人体実験も無感動でありながら、
下意地の汚さを見破られて顔をまっかにした
登場人物の戸田は、
良心の呵責はなかったが、恥の意識は持っていた気がする。

勝呂がつぶやく詩はネットで調べると立原道造の「雲の祭日」らしいです。

この小説ってよく100冊に選ばれるけど、
感想文書きやすいんじゃないかな。
感想文書くだけだったら、
戦争と人体実験している非道さを非難すれば字数稼げるから。

再読
書評(10点中) 6点
読みやすさ +0.5点
趣味は「読書」:海と毒薬

カテゴリ

, ,

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 「海と毒薬」遠藤周作

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://118.82.81.148/cmt/mt-tb.cgi/86

コメントする

このブログ記事について

このページは、hatirobeiが2006年1月15日 22:41に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「「ローマ人の物語 (1)(2) ― ローマは一日にして成らず(上)(下) 」塩野七生」です。

次のブログ記事は「「海からの贈物」アン・モロウ・リンドバーグ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。