2006年8月アーカイブ

白い犬とワルツを テリー ケイ白い犬とワルツを
テリー ケイ
新潮社 1998/02
定価:¥ 580

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再読。
山がなくてだるいなぁぐらいのイメージだったけど、
前に読んだよりよかった。

このごろ、
パブロフの犬化してしまったと思うぐらい
「死」という
フレーズが出てきただけで、
涙ぐんでしまう。
あんまり、
「愛」とか「友情」とかで泣かないし、
小説で絶対嬉し涙ながさないなぁ、
僕はかわいそうという感情でしか泣かんのかな
と、ふと思った。

どーでもいいが、
このごろ、
本屋にポップが増えて、
ポップがないところと比べて
華やかで、
(本屋さんを信じてるわけではないが)
お薦めするぐらいならと、
決まった本がないときは選んでしまう。

この本は、
ポップの先駆けって聞いたけど
裏表紙の解説が疑問。

裏表紙に
「大人のための童話」って書いてるけど、
童話って辞書上では
「子供のために作られた話」(大辞林 第二版)
なので
「大人のための子供のために作られた話」
日本語変なような。
言いたいことはわかるけど、
大人に「童」がつくと変な感じ。
まだ、
大人のためのメルヘンやお伽噺の方が
ましなんじゃないかなと変なところが気になった。

また、裏表紙解説の
「あなたには白い犬が見えますか?」
という、問いかけが分からない。
白い犬が「不思議」な点は、
サム以外の前にあまり姿を見せない。
サム以外に触らせない。
他の犬がほえない。
異様に白い。
って、ぐらいで、そんな不思議かと思う。
結局、登場人物見えてるし、
小説でみんな見えてるって書いているものを
僕には見えませんって、
文章理解してないやん。
なんか、
無理やり感動させようという下心を感じる。

要は、
ポップを立てないと
あまり注目されない話に山のない
名作かもしれないけど
あんまり、
他人が商魂が逞しく宣伝すぎるとうんざりする小説で、
他人の感想よりも
自分の思い出と照らし合わせて
一人で浸っときたい小説と思いました。

(読んでる人から見るとこのブログ自体、人の感想なんだけど)

この本で無理やり読書感想文書かされるなら、
僕のおじいちゃんは・・・
って、自分のおじいちゃんを
引き合いに出して
自分の領域に持ってきて書くのがいいんかも。
(このごろ読書感想文でたどってくる人が多いので)

書評(10点中) 5点
趣味は「読書」:白い犬とワルツを

Aコース 山田悠介Aコース
山田悠介
幻冬舎 2004/10
定価:¥ 480

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読書はすばらしい。
読書はためになる。
と言ったことを、よく聞く。

でも、
このごろのストーリー重視の小説を読んでると、
別に、読書じゃなくても、
映画でもドラマでもアニメでもゲームでも
媒体はなんでもいいんじゃないかと思う。
特に、読書だけ大切なわけでもないかなぁと思う。

確かに
論語などの
修身的な読書や
外国語の読書は
すばらしいし、ためになると思う。

今の小説の大半は、
日本語をそんなにこってないので
日本語の勉強にもならないし、
ミステリーは、
犯人が分かったら
読む価値がなくなるみたいによくわれるし、
エンターテーメント的な小説が多くて、
ためになんないと思う。

名作といわれてる
小説も変態的なの多いし。

このblogでも、ストーリー重視の本が多い。
別に、ストーリー重視の小説が悪いと言ってるわけじゃなくて、
「読書」と呼ばれるものの社会的地位をもっと下げて欲しい。

で、この小説。
上のことを思い起こすような
読書ってしょうもないなぁって思う内容。
読んでて、面白いけど、ただ内容を追ってるだけ。

もし、
ゲームの痛みが
実際に「感じる」(実際に怪我をするわけでない)という
点をぬけば、
5人の少年がゲームをして楽しんでいる話を
はたから小説にして読んでるって感じ。

書評(10点中) 3点
読みやすさ+0.5点
趣味は「読書」:Aコース

だから、あなたも生きぬいて 大平光代だから、あなたも生きぬいて
大平光代
講談社 2003/05
定価:¥ 580

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「昔は悪かった」 とか、 人の道を外して波乱万丈に生きてきたことや、 自分の非行履歴から立ち直ったことを、 自慢げに言ってる人に対して なんか分からない違和感がありました。

「だから、あなたも生きぬいて」
も、
私は非行から立ち直って成功しました。
「だから」、(私のように)あなたも生きぬいて
という、意味かと思い、
上から目線の書名が不愉快でした。

じゃあ、この人のゴールは何?
自分の何を栄光と思って、
自分を手本にしなさいみたいなこと言ってんの?
と、
最後の終わり方が非常に気にして読みました。

で、
読むと、いい小説だった。
完全に書名から思い違いしてました。

終章は「後悔」で終わるように、
自分の人生を成功だと思っていない。

この小説を読んで、
(まったく、人の迷惑にならない、
人に心配をかけない人生を波乱万丈と呼ばないとして)
人の道を外れて波乱万丈の人生を
自慢げに言う人への違和感が分かった気がしました。
人に申し訳ない。心配をかけてしまった。
と言う気持ちがわかないのかなと言うことです。
自分が立ち直ったから、
すごいであって、自己完結してる。

もし、迷惑をかけた人が生きていて、
許してくれるなら、
少しは自分の気ははれるかもしれない。
しかし、更正する前に、
迷惑をかけた人が死んでしまったら、
どんなに更正しても許されることはない。
一生悔やみながら
生きていかなければならないのに、
いや~、昔はやんちゃでした。
と、笑って済ませれるような、
それをかっこいいと思わせる風潮に
違和感を感じていたんだと思います。

この小説は、
過去に道を外れてしまったことを後悔して、
一生罪悪感を背負いながら、
残った母親への孝行を誓って終わっている。

生きていれば
いつでも、探せばチャンスはある。
今までの、償いができる。
生きていることだけでも、親孝行だ。
「だから」あなたも生きぬいて
という書名なのかなと思った。

久しぶりに半泣きになりながら小説を読みました。

書評(10点中) 7点
読みやすさ +0.5点
趣味は「読書」:だから、あなたも生きぬいて

松本清張の日本史探訪 松本清張松本清張の日本史探訪
松本 清張
角川書店 1999/07
定価:¥ 700

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中学一年生が夏休みの宿題で、家を放火した。
ひどいな、ひどいな。というけど、
明智光秀が、
織田信長に家康の接待がまずくて怒られたので
本能寺の変を起こした。
って、よく言われるような理由だったら、
もっとひどい。

よく、歴史に「もし」はないと言われるけれど、
歴史上でも人物の心情変化は「おそらく」のままだろうし
どうにう気持ちで歴史が動かしたかを考えるのは楽しい。

本書で
額田王の取り合いで壬申の乱が起こったかもしれない。
伊能忠敬が、入り婿でのうっぷんが、
彼の後年の偉業を成さしめた。
とか、書いてるのを見ると、歴史がワイドショー感覚に近くなってくる。

いい加減なもんだけど、
個人の心持で歴史が動くと
はたから見てる分には楽しいが、
自分が巻き込まれるなら、
維持の張り合いや、個人の心情とかで
与党に反対するだけの政策や
戦争があるとうんざりする。

「あ~、嫁とけんかしてもうた、
 いらいらする!
 憂さ晴らしに、ミサイル発射!」
とかで、死にたくない。

書評(10点中) 4点

診療室にきた赤ずきん―物語療法の世界 大平健診療室にきた赤ずきん―物語療法の世界
大平健
新潮社 2004/08
定価:¥ 380

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精神科って、よく分からない。
「セックス依存症なんです。セックスさせてください」
ぐらいの風俗感覚ぐらいの軽い気持ちで、通院していいの?
とか、通院の程度が分からない。
どっからわがままで、どっから病気なのか、
言ったもん勝ち、みたいな思いがぬぐえない。

(略)しかし、医者の診断で、というところがミソなのです。そして、この一点で患者の不安が解けるのです。たとえ、「また学校に行けなくなって」も今度は自分の責任ではありません。医者の責任になります。
新潮文庫P48より

医者の診断書は重みがある。
簡単にもらえるんなら
飲みに誘われたときの角の立たない言い訳に、
「医者に止められてるんっスよ~。」
用に、診断書一枚もらいたい。

警備員でバイトしてたとき、
講習で、
他人と言い争いになって、
警察を動かしたかったら、
まず、医者に行け。と教えてもらった。
言い争いが原因で、眠れなくなったとか
とにかく、医者の前で愚痴りまくって
寝不足、神経衰弱。なんでもいいから診断書もらえ。
診断書は法的なもんだから、警察が動かせる。
みたいなこと言っててそんなもんかって、記憶がある。
引越しおばさんとか隣に来たら、
医者行ってから、警察行こうと思う。
こういった経緯もあって、精神科というと、
利用する人は利用する偏見がある。
確かに、SOSを出しているところに、
救いの手を出す機関は必要だと思う。
でも、甘えてるのと、利用するのと、本当に必要な人の区別を
もっと明確に、第3者にも納得するように診断して欲しい。

この小説は
「赤ずきん」における、愛に飢えたの狼など
みんなが知っている昔話を、異なる解釈で引き合いに出すことで、
日常生活でも違う見方がある。
と感づかせてくれるところがあると思う。

もっと話は複雑なんだろうけど、
うまいこと話がまとまりすぎな分、
この本を読んでると
桃太郎の話をするだけで、
「僕は、桃太郎の桃太郎で、
 鬼(ばばあ)を殺して、
 財産を奪って来いって言うことですね」
と、勝手に解釈されて、
ニュースで、
「この殺人に、桃太郎を読んで事件に関与した
 大阪府の男性も逮捕されました。」
って、ことになりかねないくらい、
単純。
きれいに章が分かれて、時間の合間でも読みやすいことは読みやすい。

書評(10点中) 4点
読みやすさ +0.5点
趣味は「読書」:診療室にきた赤ずきん

沈黙の春 レイチェル カーソン沈黙の春
レイチェル カーソン
新潮社 2001/06
定価:¥ 2,520

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いつのまにか、 「風の谷のナウシカ」の腐海(ふかい)の森のような 虫の巣窟ががあったと仮定すると、 政策として、 国の予算をかけて、巨人兵を復活させます! と、主張する政党には誰も投票しないだろう。 巨人兵が無理でも、恐竜を復活させて、オームと戦わせます。 それが無理なら、科学力で、メカゴジラを完成させます。 って、ぐらいになると、 ゴジラVSオームみたいなのりで映画なら見てみたい。 でも、選挙なら、 昔のアメリカのように、 空からDDTを振りまいてくれる政党に投票する。 なんやかんや言っても、 虫に対しては化学薬品の殺虫剤が一番妥当だと思ってしまう。 殺虫剤の適量などは分からないので、政府任せになる。

この本は
化学薬品の使用に対して警鐘を鳴らした有名な本。
人間も意味なく化学薬品を使っているのではなく、
虫の駆除として化学薬品を
無思慮に使っているのが背景にある。
(このごろは、企業による公害とかの方がよく聞くけど)

この本では
政府が虫の対策として空から化学薬品をまいたために、
魚は死に、農作物は汚染され、
虫の天敵の鳥まで死に、
虫は抵抗力をつけて、増殖しました。
という過去の実例を挙げている。

ほんとアメリカって馬鹿だよな。
ちょー、うける。
うひーっ、って読んどったら

日本も戦後、
進駐軍に、学校で
DDTを直接に体中ふりかけられとる!
そんなばかなと、
戦中生まれの母親に聞いてみると、
「あれのおかげで、しらみ来んようになってん。
 それまでは、おばあちゃんにしらみをぷちぷ(略)」
とか、DDT浴びてよろこんでた。
DDTを学校で強制的にかけられて、感謝しとるで、この人。
DDT、子宮に蓄積すんのに。。。

自分は駄目だ、駄目だと
思ってはいたけど、
まさか、子宮のころから駄目だったとは・・・

俺の人生、どーしてくれんねん!←いいすぎ
アメリカだと他人事だけど、
生まれる前に親が環境に対して無関心だと、面白くない。

直接的ではないから、他人事として読んでたが、
特に食料は
他国だといって自然問題は他人事では済まされなくなってきてる。

日一日と体が汚染されてるので
冷凍保存利くって聞いたから
今のうち、精子とって冷凍しといた方がいいんかなと思ったりもした。
冷凍庫に入れるの嫌だけど。

宮崎駿つながりで
「紅の豚」でマルコが、
川に煙草を投げ捨てるシーンがある。
当時はあんまり気にならなかったシーンだけど、
これから先、環境への意識で作品の評価って下がって行く気がする。
あと、
「カリオストロの城」のオープニング上での
次元の煙草ポイ捨も反対。←作品を楽しむ気がない。

最終章で
化学薬品の変わりに、
別の道として
昆虫の生殖機能を奪うって方法を紹介していたが、
これを、知らない内に出来そうだし、
戦争の変わりに
人間に使うとどうなるんだろうって、ぞっとした。

化学薬品の名前がでまくって、専門用語が多いので読みにくい。
再読
書評(10点中) 3点
読みにくさ -0.5点
趣味は「読書」:沈黙の春

ビギナーズ・クラシックス 古事記 角川書店ビギナーズ・クラシックス 古事記
角川書店
角川書店 2002/08
定価:¥ 660

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天皇が神ってほんとうに信じてたんですか?
って聞いた事があると前に書いたけど、
どうも納得がいかなかった。
昭和は知らないが、そんなんで平成の大人はだまされないぞ。

で、
最近読んだ司馬遼太郎の本に「GOD=神」は
明治の翻訳家の誤訳やで
って書いてあったので
古事記関係の本を読むことにしました。
(ちなみにこの本にもGOD=神は誤訳と書いてた)

読んで納得した。
天皇陛下は天照大神の子孫、
そう言われれば、そうなんですかと思う。
古事記の神様を基準で考えると
神様の子孫であったとしても、
なんら超常的な力を期待しない。
Oh!My 天照!なんて言わない。

たとえば、
欧米的な神の観念で、
「私は神だ」
と言われたら、
「モーゼみたいに海を二つに割って」
「そしたら、世界平和にしてください」
とか、ほんまに神の力があるか試したくなるけど、
古事記の感覚で、
「天照大神の子孫だ」
ってなっても、
「ふ~ん。そうなんだ」
って感じで
天照さんの子孫だからって超常的なこと出来そうにないので
その話題が続かない。

それ以外にも、
スサノオの話とか
名前は聞くけど、
何者かよく分からん神さんなどの話が
まとめて読めたのでビギナーズで十分満足しました。

書評(10点中) 5点
読みやすさ 0.5点
趣味は「読書」:ビギナーズ・クラシックス 古事記