「朗読者」ベルンハルト シュリンク
ぼくはハンナの犯罪を理解すると同時に裁きたいと思った。しかし、その犯罪は恐ろしすぎた。理解しようとすると、それが本来裁かれるべき形では裁けないと感じた。世間がやるようにそれを裁こうとすると、彼女を理解する余地は残っていなかった。でも僕はハンナを理解したいと思ったのだ。
新潮文庫P180より
戦争をどう受け止めるか。
戦争は、
戦争未経験者である
この本の主人公の心情のように
経験と結びつく点がないので
想像力がうまく働かない。
知った風に
「戦争って悲惨ですね」
っていうのも
戦争→悲惨
って、合言葉みたいに
何も考えても言えるので
問題なんじゃないかと思う。
戦争について
受身として聞いたり読んだりしても
知識として知るだけで、
「戦争は痛そうですね」
ぐらいが想像力を働かす精一杯。
自分と戦争が、
実体験と直接結びつかない。
結びついて、
あぁ悲惨だでは手遅れなんだれど。
この本は
「愛した人が戦争犯罪人だったらどうしますか?」
をモチーフに
過去の戦争と無関係の立場をとるわけでも
戦争を糾弾する立場をとるわけでもなく、
直接戦争じゃなく、
愛した女性を挟んで戦争をとらえることで、
戦争体験のない読者にも
戦争について自発的に考えさすことに成功していると思う。
初読だけど
再読する価値のある名作と思う。
書評(10点中) 7点
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 「朗読者」ベルンハルト シュリンク
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://118.82.81.148/cmt/mt-tb.cgi/47

コメントする