2006年12月アーカイブ

Wuthering Heights (Penguin Classics)表紙
Wuthering Heights
Emily Bronte
Penguin USA (P)
発売日:2003-01
定価:¥ 767
416ページ
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ホームページで キャラクター検索を作ろうと思って、 今まで読んできた小説の中で キャラクターが強かったのは 誰だったかなと考えて出てきたのが、 人並みはずれた固い意志を持ち、 その振る舞いは人間というより野獣に近い 「嵐が丘」の主人公、ヒースクリフ。

それで「嵐が丘」を探していたのですが、
いろんな出版社から出ているので
印象のある台詞だけをチラ見して、
うまく訳している本を買おうと
探していると案外ピンくる訳がないもので
放置していたら、家に前に読んだのがあったので、
阿部知二さん訳の岩波のを読むことにしました。
印象のある台詞は
変わりに原書をamazonで買って
そこだけ読むことにしました。

ちなみに印象のある台詞がこれ

'(略) And I pray one prayer
- I repeat it till my tongue stiffens -
Catherine Earnshaw, may you not rest
, as long as I am living!
You said I killed you - haunt me, then!
The murdered do haunt their murderers.
I believe - I know that ghosts have wandered on earth.
Be with me always - take any form - drive me mad!
only do not leave me in this abyss,
where I cannot find you! Oh! God!
it is unutterable! I cannot live without my life!
I cannot live without my soul!'
penguin classics P169より

特にうまくできたと思ってるわけではなくて
適当に省略して訳をつけると
「俺が生きている限り、
 キャサリン・アーンショウ!
 おまえを安らかに死なせはしない!
 おまえは、俺が、おまえを殺したと言った。
 なら、幽霊になって俺に取り付いてみろ!
 どんな姿でもいい、俺を狂わせてみろ!
 ただ、俺を残していかないでくれ。
 俺は自分の生命なしで生きていけない。
 自分の魂なしで生きていけない。

ちなみに、岩波はヒースクリフが自分のことを「ぼく」と言ってるのが?
(岩波は前半のヒースクリフのしゃべり方は好きだけど)
新潮はI know that ghosts have wandered on earthの訳が説明的で?

と、言うわけで、岩波文庫の「上」の感想はこれぐらいで
感想は「下」に続く(はず)。
(阿部知二さん訳の岩波は
 今では改訳でて新品は売ってないらしい。
 岩波はこれを書いている時点でノーマークだったけど、
 amazonのレビューで評判がいい。
 下だけ買うのもいやだし、失敗したかも)
書評(10点中) 6点

自分のウリは、 広く言えば自分のリアクションを引き出すことでした。 前の会社の面接で、 人事部「君の問題解決能力を発揮した例を教えてください」 僕「私が問題解決能力を発揮したのは、  自分の学校に愛校精神がもてなかったので  この愛校精神というあいまいなものをどう持たせようかと考えたところ  犬のマーキングに注目しました。  そして、学部の校舎にあるすべての便器を使用することで  愛校精神を養いました。  私には、  人とは違う問題解決法を探し出し実行する行動力があります。」 人事部「それでほんとに愛校精神がつきましたか?」 みたいなやりとりをして、内定をもらった。 (注、すべての便器といっても女子便所除く、教務用は忍び込んで一個だけ使用)

でも、僕の場合
自分のリアクションを引き出すことまでで、
少年Aのように
猫を殺して解剖している瞬間、
自分の感情はどんな風に乱れるだろう。
のような、
自分の感情を客観的に観察するという視点はなかった。
正直、読んでる瞬間、すごいと思った。
通勤電車に乗っている時に、
小さいころ、蛙を握りつぶして蛙を怖くなった。
今、蛙を触ることさえ抵抗があるけど、
もう一度握りつぶしたら、
自分はどんな風に感情が動くんだろう
って、考えてました。
自分の感情を観察するというのは魅力的なところがある。
でも、
自分の感情が興味の対象であるために、
自分の感情を引き起こすための、
ファクター(ここでは蛙)などに、可哀想っていう感情がわかない。
自己中心的ってこんなことなんかなと、思った。
こういう考え方はヤバイ。

「おらんわ。興味ないもん」
「女の子に?」
「うん。友達とかあるみたいやけど、僕はあんまり興味ない。そういうのって変かな?」
「そやねえ。人にやるけど、ちょっと幼いかも分からんよ」
 その時点では、あの子の性的衝動が、猫の解剖や人間の死のほうへ急速へ向かっているとは、想像もつきませんでした。
文春文庫P212より
まじめで優柔が利かないところがあるが、 人がよくほのぼのしている性格で子供への愛情が深い母親と、 殺人に性的興奮を持つ息子の恐ろしく食い違った親子の話。

よく少年Aの母親が非難されてる。
なぜ、気づかなかったのかと。
でも、親は子供を疑うのが普通なんだろうか?

この手記には
「気づかなかった」「知らなかった」が
連発されてます。
一部では少年A冤罪説さえ出てるらしいが、
ほとんどの話が伝聞で、少年Aの奇行は、
報道陣がニュースになるように尾ひれをつけたり、
でっち上げてるものが多いらしいです。
(ネットで調べたけど、
 どこまで信憑性あるかも疑問で時間がかかるので辞めた。)
実際なかったものに
「知らなかった」と母親がコメントして
「親やのにそんなことも知らんかったんか」
ということもあるんじゃないかなと思う。
だいたい
子供が猫殺して興奮する性癖のある人は
どうやって教育すればいいんだろう。

三島由紀夫の「金閣寺」を読んだ時、
興味を持ったのはよく分からん主人公よりも、母親でした。
(自分のために)主人公の出世を願い、
金閣寺の住職にまでなれると目論んでいた感じに母親が書かれていました。
主人公が金閣寺放火後、母親が自殺した話の方が興味あるなと思った。
こうやって死ぬ時、
最後に絞り出てくる言葉は、子供のことよりも
「ちきしょう」
と思う。

子供がいないから分からないけど、
僕だったら、
「子供のことは、勘当したので知りません」
ってい言いかねへんから。

一方、少年Aの親ほど、
事件後も子供に愛情を注げる親は少ないと思う。

この本とは関係ない話、
この事件のとき
親が出てこいとかよく言って、なんでかなと思ってたけど
赤軍派の親って謝ってたんですね。知らんかった。

書評(10点中) 5点

この感想文でも
ちょこちょこ書いているけど、
戦前の日本人がよく分からない。

武器を選べと言われて
誰が頭に一トン近くの爆弾積んで体当たりする有人誘導爆弾乗るのに志願すんねん?
桜花(wiki)

この小説はどちらかと言うと、
最初に特攻した隊長と
最後に特攻隊隊長と
二人を軸にして、
二人を取り巻く親や妻との
つながりなども書く。

二人とも、
一人っ子の跡取りで、新婚。

そんな関と別れたあとも、小野田特派員の耳から消えぬつぶやきというか、悲痛なぼやきがあった。それは、
「どうして自分がえらばれたのか、よくわからない」
という当然過ぎるものであった。
新潮文庫 P53より

話が少し変わりますが、妙に頭に残ってる言葉があります。
二・二六事件のドキュメンタリーとして
立てこもってる部下に上官が電話で投降を呼びかけているのを
盗聴したテープが残っていて、
図書館から借りてみたんですが、
こんな会話を盗聴されていた。(うろ覚え)
上官「天皇陛下が鎮圧を命じた。お前ら逆賊だぞ。投降するようにみんなを説得しろ。」
部下「出来ません」
上官「じゃあ、お前だけでも帰って来い」
部下「出来ません」
上官「なんだ貴様?怖いのか?」←軽蔑した言い方で
はっきりいって上官の論点がずれている。
部下は脱走するのが
怖いんじゃなくて、
一緒に決起した仲間を置いて一人で帰るのが
卑怯とかそういう意味でしり込みしている。
それなのに怖いのか?って。
部下にとって、すんげー不本意な気がする。

天皇陛下の意向という至上命令が出た以上、
たとえ家族のためでも
どんな理由があったとしても
それを超える理由にならない。
そむくのは、それ以上の理由にならないため、
怖気づいていると
蔑まされる。殴られる。

正当と合意されている理由がなければ、
断りにくいんだろうなと思う。
「これ(嫁)が
 これ(妊娠しておなかが大きい)で
 これ(帰りが遅いと怒られる)なもんで」
なんて言い訳はとおりそうにない。

特攻隊を断った人もいるらしい。
僕は安請け合いする方だけど、
やばい時は、
やりたくないからいや
って子供っぽくても
きっぱり断った方がええなと思った。

忘年会シーズン。
酔って、二日酔いで
二日もつぶれて
なにやってたんだろうと
落ち込むことがあります。
薦められても絶対断れる正当な理由があると
安心できるのに・・・
と常々考えてきた。
そうだ、
ペットを飼えば・・・
餌をやらないと、餓死させてしまう
と言えば・・・
同情を引くような名前をつけて
小さくてかわいくてかわいそうな亀のぴーちゃん。←名前なのに形容詞付き
「ごめん、
 今日は、
 小さくてかわいくてかわいそうな亀のぴーちゃんに
 ご飯をやらないと餓死しちゃうから、
 残念やけど飲みに行かれへんねん」
亀はうるさくないし、
世話は、年金もらってる親に任せたらいいし、
実際、餓死したところでまた新しい亀安く買えるやろうし、
なんてすばらしい言い訳なんだ!
ちょっと、自分に感動した。
でも、このブログ知ってる知り合い多いので
ブログを見てる友人に
「ごめん、
 今日は、
 小さくてかわいくてかわいそうな亀のぴーちゃんに・・・」
なんてほんとに言ったら殴られるかもしれん・・・

断るのって難しい。
他の人が命を張っている中なら
特に我を通して断るのは困難と思う。
国のために死ねるのなら喜んで
というより
家族のために生き残りたいが
国のため以上の至上目的がなく
断る理由にならないので泣く泣く...
でも、どうせ死ぬならかっこよく。
と、自分の物差しではかるとこれぐらいしか分からない。

「一億総動員」とかいうけど、
あの時代、この狭い国に
お金ない、資源ないといいながら、
一億人も生きていた。
生命倫理も貧弱になるんかな。

城山三郎の小説は、
命を削ってでも成功するって
イメージがあったので
(「価格破壊」とかで)
勇猛果敢な小説かも、と思ってので、
特攻隊のような無茶な戦術を取ったことに
批判的な小説だったので少し意外。
これが城山文学の集大成と言われると(裏表紙の解説)

城山三郎ってこんな小説を書きたかったんや。
僕はよく知らんかってんやと思う。
書評(10点中) 4点

「中吊り小説」

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中吊り小説 (新潮文庫)表紙
中吊り小説
吉本 ばなな
阿刀田 高
椎名 誠
村松 友視
高橋 源一郎
新潮社
発売日:1994-12
定価:¥ 460
271ページ
アマゾンで詳細を見る

東京で電車の中吊りポスターとして
掲載していた短編集。

中吊り小説なので、
電車に関わる話が多い。
けど、中吊りポスターだから出来たというほどの
奇抜なのはなかった。

最近東京では、
電車にテレビモニターがついている。
宣伝だけど、映像なので
まだ、そっちの方が面白いぐらい。

こういう、いろんな作家が一冊で読めると、
あっ、この人面白いな、次ぎ買おうかな、
この人は読みたくないなとか、
好みが合うかどうか分かってありがたい。

この小説なら、
阿刀田高、森瑤子がいいなと思いました。

今回のは、そんなにひねったストーリーでもなかったけど、
阿刀田高はこういう企画ものの短編小説となったら、
国内では敵なしって感じがする。

書評(10点中)4点