「指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく」城山三郎
この感想文でも
ちょこちょこ書いているけど、
戦前の日本人がよく分からない。
武器を選べと言われて
誰が頭に一トン近くの爆弾積んで体当たりする有人誘導爆弾乗るのに志願すんねん?
桜花(wiki)
この小説はどちらかと言うと、
最初に特攻した隊長と
最後に特攻隊隊長と
二人を軸にして、
二人を取り巻く親や妻との
つながりなども書く。
二人とも、
一人っ子の跡取りで、新婚。
そんな関と別れたあとも、小野田特派員の耳から消えぬつぶやきというか、悲痛なぼやきがあった。それは、
「どうして自分がえらばれたのか、よくわからない」
という当然過ぎるものであった。
新潮文庫 P53より
話が少し変わりますが、妙に頭に残ってる言葉があります。
二・二六事件のドキュメンタリーとして
立てこもってる部下に上官が電話で投降を呼びかけているのを
盗聴したテープが残っていて、
図書館から借りてみたんですが、
こんな会話を盗聴されていた。(うろ覚え)
上官「天皇陛下が鎮圧を命じた。お前ら逆賊だぞ。投降するようにみんなを説得しろ。」
部下「出来ません」
上官「じゃあ、お前だけでも帰って来い」
部下「出来ません」
上官「なんだ貴様?怖いのか?」←軽蔑した言い方で
はっきりいって上官の論点がずれている。
部下は脱走するのが
怖いんじゃなくて、
一緒に決起した仲間を置いて一人で帰るのが
卑怯とかそういう意味でしり込みしている。
それなのに怖いのか?って。
部下にとって、すんげー不本意な気がする。
天皇陛下の意向という至上命令が出た以上、
たとえ家族のためでも
どんな理由があったとしても
それを超える理由にならない。
そむくのは、それ以上の理由にならないため、
怖気づいていると
蔑まされる。殴られる。
正当と合意されている理由がなければ、
断りにくいんだろうなと思う。
「これ(嫁)が
これ(妊娠しておなかが大きい)で
これ(帰りが遅いと怒られる)なもんで」
なんて言い訳はとおりそうにない。
特攻隊を断った人もいるらしい。
僕は安請け合いする方だけど、
やばい時は、
やりたくないからいや
って子供っぽくても
きっぱり断った方がええなと思った。
忘年会シーズン。
酔って、二日酔いで
二日もつぶれて
なにやってたんだろうと
落ち込むことがあります。
薦められても絶対断れる正当な理由があると
安心できるのに・・・
と常々考えてきた。
そうだ、
ペットを飼えば・・・
餌をやらないと、餓死させてしまう
と言えば・・・
同情を引くような名前をつけて
小さくてかわいくてかわいそうな亀のぴーちゃん。←名前なのに形容詞付き
「ごめん、
今日は、
小さくてかわいくてかわいそうな亀のぴーちゃんに
ご飯をやらないと餓死しちゃうから、
残念やけど飲みに行かれへんねん」
亀はうるさくないし、
世話は、年金もらってる親に任せたらいいし、
実際、餓死したところでまた新しい亀安く買えるやろうし、
なんてすばらしい言い訳なんだ!
ちょっと、自分に感動した。
でも、このブログ知ってる知り合い多いので
ブログを見てる友人に
「ごめん、
今日は、
小さくてかわいくてかわいそうな亀のぴーちゃんに・・・」
なんてほんとに言ったら殴られるかもしれん・・・
断るのって難しい。
他の人が命を張っている中なら
特に我を通して断るのは困難と思う。
国のために死ねるのなら喜んで
というより
家族のために生き残りたいが
国のため以上の至上目的がなく
断る理由にならないので泣く泣く...
でも、どうせ死ぬならかっこよく。
と、自分の物差しではかるとこれぐらいしか分からない。
「一億総動員」とかいうけど、
あの時代、この狭い国に
お金ない、資源ないといいながら、
一億人も生きていた。
生命倫理も貧弱になるんかな。
城山三郎の小説は、
命を削ってでも成功するって
イメージがあったので
(「価格破壊」とかで)
勇猛果敢な小説かも、と思ってので、
特攻隊のような無茶な戦術を取ったことに
批判的な小説だったので少し意外。
これが城山文学の集大成と言われると(裏表紙の解説)
?
城山三郎ってこんな小説を書きたかったんや。
僕はよく知らんかってんやと思う。
書評(10点中) 4点
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