2007年4月アーカイブ

ロードス島攻防記 (新潮文庫)表紙
ロードス島攻防記
塩野 七生
新潮社
発売日:1991-05
定価:¥ 420
248ページ
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この前、「コンスタンティノープルの陥落」を選んだのは、
「ロードス島攻防記」と続く三部作の一作目だからで
一番読みたかったのは二作目の、この「ロードス島攻防記」でした。

騎士団の生活基盤って何?
って前から気になってました。

たとえば、ニートでも、
僕はこの家を一日中守っている騎士です。
と言い張って
ネットで団結して
ニート騎士団って作っても
その実、昔の騎士団とやってること変わりないのじゃないの?
ぐらいのイメージでした。

読んでると、
なるほど、
寄付や寄進を生業としているらしい。
ほんで、寄付の実感がわかないので、
日本の初詣の参拝者数を調べると
2006年で9373万人
一人頭100円のお賽銭として
中世ヨーロッパの人口が500万人だから日本人の割合で考えると、
日本人の信心深さぐらいで
93730000*100*5百万/1憶2千万=39054万円
こんなもんかと、昼ごはんのときネットで調べて計算してました。

イスラム教のオスマン帝国に囲まれたロードス島っているのって、
今で例えたら
日本と韓国でもめてる竹島を占拠する以上のものだから
そうとう寄付が集まるだろうな、
生活基盤はそうとう強いかもしれない
と読んでて思いました。

イスラム教の中でぽつんと残され、
援軍も来る望みのない状況
騎士数百人とロードスの住民対オスマンの軍隊20万という
陰湿な公開いじめみたいな戦争が繰り広げられる。

「人間には誰にも、自らの死を犬死と思わないで死ぬ権利がある。そして、そう思わせるのは、上にある者の義務でもある。」
新潮文庫P116より

戦記をわくわくして読むというより
よぉやるよなぁ。
って感じ。

教科書的に
オスマントルコは
ヨーロッパに大きな影響を与えたという。
勉強になったのは
当時何をそんなにヨーロッパ全体でびびってるんだと思ってたが、
ヨーロッパに人口が少なくて
オスマントルコに多かったって言う単純な事実が大きそうということだ。

ところで
驚いたことに今でも聖ヨハネ騎士団は国(?)として存在するらしい。

この本を読んだ感想。
騎士団の生活基盤って何?
って思ったら、
本を読むよりネットで調べた方が良く分かる。

書評(10点中) 3点

ティファニーで朝食を (新潮文庫)表紙
ティファニーで朝食を
カポーティ
竜口 直太郎
新潮社
発売日:1968-07
定価:¥ 540
266ページ
アマゾンで詳細を見る
There was once a very lovely,very frightened girl. She lived alone except for a nameless cat,
映画「ティファニーで朝食を」 売れない小説家がタイプライターで打っていた一節より
あるところに、とてもかわいくて、とてもおびえた少女がいました。 名もない猫と住み・・・

映画を見たとき、相当中身のない話だと思いました。
映画を見てはせっせこ点数をつけてた点数は、
たぶん(10点中)4,5点ぐらい。

だけど
ガンダムとジプリ以外で
僕が著作権が切れていないDVDを持っているのは
「3つ数えろ」と、この「ティファニーで朝食を」の2本だけ。
最後のシーンの共演のジョージ・ペパードの顔がすごく印象的で
なんかの時に衝動買いしてしまいました。

そんな少し思い入れもある映画で
原作者のカーポティが小説と違うと怒ってたと小耳に挟んだので
自由自由と思いながら
ティファニーに行かなければ不安をぬぐいきれない
消費社会の悲劇
のようなテーマがあるんかなぁと気になってました。

で期待して読むと、
最初の書き出しも上記の書き出しじゃなかったし、
「いやな赤」がプロレタリア独裁という思想的なものを含んでおり
消費社会を否定するような話じゃなかった。

「(略)あたしがお金持ちになり、有名になることを望まないというんじゃないの。(略)ただそうなっても、あたしの自我だけはあくまで捨てたくないのよ。ある晴れた朝、目をさまし、ティファニーでご飯を食べるようになっても、あたし自身というものは失いたくないのね。あんたも一杯ほしいんでしょ」
新潮文庫P58より
映画では ティファニーに行くと気が晴れるから、ええわぁって言ってたのに。

本を読む限り、
自由気ままな主人公が、
誰かに所属すること、依存することなしせずには見つかることのない
安住の地を探すお話。
なんかな?
映画を見直すと確かに最後にそんなこと言っているけど
どっちかというと、くどき文句の代わりで、
しかもハッピーエンドなので、まったく心に残らなかった。
本の方は、
終わりも、ホリーはどうなるんだろう、
というすっきり感がなくて、
読後感も
ホリーの生き方に疑問が残る。

映画はホリーの生き方に感情移入出来なかったのが大きい。
小説では、
映画よりさらに、
ホリーを観察してる方を中心に書いているので
感情輸入できない戸惑いは少なかった。

カーポティはホリーの役にマリリンモンローを希望したようだが、
確かに、
派手さ、自由、幸せになれなさそう、
でぴったりの気がした。

その他の短編も面白い。

書評(10点中) 5点

徳川家に伝わる徳川四百年の内緒話 (文春文庫)表紙
徳川家に伝わる徳川四百年の内緒話
徳川 宗英
文藝春秋
発売日:2004-08
定価:¥ 590
285ページ
アマゾンで詳細を見る

徳川将軍は15代名前が浮かばないので
この本読んで、エピソードとか結びついたら
すぐに出てくるかなと思って買った本。

面白くない。
日本で最初にラーメンを食べたのは水戸黄門である!
と標題があって、
でも、違うという説もある。
という真偽のほどがあいまいな
2ページほどの細切れの話が最後まで延々と続く。

内容もどうでもいいし、
その、どうでもいい内容も確証がないものが多く、
まとめて時間をとって
気合を入れて読んでると余計に
ばかばかしくなってきた。

ちょこちょこと合間合間に読むとまだましかもしれない。

徳川家ゆかりの人が書いたからどうこうという話がほとんどなくて残念。
そういう意味では
この本でも少し引用されている
この人の母親の徳川元子の「遠いうた」は少し興味が出た。

今、15人思い出して書き出すと、
家康、秀忠、家光、家綱、綱吉、、家継、
吉宗、、家治、家斉、家慶、家定、家茂、慶喜
結局読み終わっても15人暗証できませんでした。

書評(10点中) 3点

コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)表紙
コンスタンティノープルの陥落
塩野 七生
新潮社
発売日:1991-04
定価:¥ 460
260ページ
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いつも立ち読みしている本屋に悪いなと思って、
無理やり探して買った本。

高校受験世界史で
ごっちゃになる中世から近世にかけて
この年の前か後かみたいな年代で、
東ローマ帝国(ビザンツ)の滅亡と
100年戦争終結の1453年はわりと押さえてる年代だと思う。
(後、1555年アウグスブルクの和議(宗教戦争)
1648年ヴェストファーレン条約(30年戦争終結)とか)
この東ローマ帝国の滅亡で中世の終わりとする見方もあるぐらいの大事件が、
オスマントルコ16万とビザンツ7000千みたいな戦力差があるなんて知らなかった。
大阪の夏の陣でさえ、徳川15万5千対豊臣5万5千。
7千で守ろうというのだから、
コンスタンティノープルって、今の大阪城ぐらいの大きさなんかなと思ったが、
巻末の地図で見ると
JRの大阪環状線内ぐらいの大きさがある。
JRの大阪環状線内7千人では無理だろう。。。
7千っていったら大阪ドームでもがらがらやで。。。
守備兵が少ないのだから、
トルコも2千人ぐらいの決死隊を募って闇にまぎれて城門を上れなかったのかなと思うんだけど。
というか、降伏だろうと思うんだけど、宗教の壁かもしんない。

小説は、
攻城戦の上に
200人単位で戦ったりしてるので
小競り合いっぽく
しょぼい感じがある。
しかし、
ビザンツの旗が取り払われ、
勝敗が決した後の、
トルコ側の我先に略奪に走り、
ビザンツ側は逃げる描写は
こちらも急き立てられるように一気に読んでしまう。
また、
艦隊を陸上輸送で、
封鎖されている湾口を越えて湾内に入れる
オスマン艦隊の山越えなんかは、
漫画で書いてると、やっぱり漫画やと思うようなことが、
ほんとにやってるのだから面白い。

塩野さんを読んだけど、
ローマ人の物語では
あんなに賞賛しまくってるハンニバルでさえ
心理描写が
「何々と思ったに違いない」程度に抑えているのに、
心理描写が多くて(特別多いわけでもないけど)
改めて
ローマ人の物語はよくあの書き方で一般書籍で売れたなと思った。

コンスタンティノープルの陥落(FLASH)←小説を元に作られたFALSH面白い。

あと、ぴんと来ないので、
マホメッド2世は高校世界史の教科書にあわせてメフメト2世にして欲しい。

書評(10点中)4点

ハンニバルが、 スペインからアルプス山脈を越えてイタリアに攻める話は 世界史で習った。 考えることは小学生でも考え付くかもしれない。 しかし、 メイド喫茶を目の前にして、 友人を誘って一緒に入るのを断られた僕にとって、 5万もの兵隊をスペインからイタリアまで歩いて連れて行って 16年も敵地で孤軍奮闘出来る ハンニバルの統率力はまったく現実味がわかない。 ( 「感想文に書くことがないねん」ってメイド喫茶に誘ったら、 「じゃあ、メイド喫茶にさそったけど断られましたって感想文に書け!」 って言ってたけど、ほんとに書いたで←友人 )

ハンニバルの戦術やローマの政治形態を賞賛する本章は、
感心することが多くて読んでて面白い。

あと読んでて思ったことをメモぎみに。

読んでて、
講和が良く出てくるが、
日本の無条件降伏と照らし合わせて、
日本ももっと早く降伏せんかってんやろうと思った。

読んでて、
赤壁の戦いで100万とか、
三国志演技慣れしてるせいか、
兵隊が3万とか5万のレベルだと、
すこししょぼいと思ってしまう。

書評(10点中)6点