「山椒大夫・高瀬舟・阿部一族」 森鴎外

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『読書感想文と仮病』

軽いめまいを感じた。
次第にめまいは強くなり、
まるで世界が回転しているような心持になり、
頭痛がしてきた。
だんだん顔は青ざめ、冷や汗が体中から出始め、
動悸ははやくなっていった。
口の中は唾液の量が増え、
吐き気を催し、私はたまらず嘔吐した。

上記の現象は、
乗り物酔いの一般的な症状です。

感想文を読んでると、
たまに、
はきそうになったとか、
青ざめたとか、
病状を訴えるものがある。
内心、嘘つけと思っていた。
ためしに乗り物酔いの症状をならべると、
感想文らしくなった。

ところどころ、本の内容をちりばめたら、
本物の感想文が出来る気がする。

厨子王が人攫いに会ったとき、
軽いめまいを感じた。
厨子王が拷問にあった描写では、
だんだん顔は青ざめ、(略)
安寿との別れでは、
口の中は(略)

僕のは仮病だけれど、
カーブの多い車の中で本を読むと、
たいていの人は、
上記の症状=感想が得られるので、
最後に、
やっぱり車の中で本を読むのは辞めようと思いました。
って、付け足したら、嘘じゃないし。

この本を読む前に、
感想なんかないだろうと思っていたので
ここまで用意して読んだ。

案の定、たいした感想はなかったんだけど、
高校のころ読んだころより面白く感じた。

昔は、
読み終わって、
「それで?だから何?それがどうした。こんなもの読むだけ時間の無駄だ」と思ってたものが、
今は、
読み終わって、
「へぇ~、ふ~ん」って感じになった。
浦島太郎とかの昔話を「めでたし、めでたし」で終わって
満足している子供のころに似ているかもしれない。
成長したのるのやら、子供返りしてるのやら、
分からない。

人間開放の問題を扱い、我を空しくして運命のままに生きる人間像を、あわれ深く描いた作品って、
背表紙に書いてた山椒大夫を読んでも、
「山椒大夫」って、題名の人物が悪人やん。おかしいわぁ。
ぐらいしか思わないけど、満足してる。

(10点中) 山椒大夫 5点 興津弥五右衛門の遺書 3点 阿部一族 4点 佐橋甚五郎 3点 魚玄機 4点 最後の一句 4点 じいさんばあさん 4点 高瀬舟 5点 寒山拾得 4点