書評 7点の本の最近のブログ記事

二十四の瞳 新装版 (角川文庫 つ 1-1)表紙
二十四の瞳
壷井栄
角川書店
発売日:2007-06
定価:¥ 340
249ページ
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100冊キャンペーンのトップページ
作品別採用数順、トップ30で、
いままで読んだことのない小説が3冊。

二十四の瞳、
堕落論、
グレート・ギャツビー

の3冊。

あらすじを書くために読むことにしました。
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昭和初期、海辺の寒村に、新米の教師として赴任してきた大石先生と、大石先生を慕う12人の個性豊かな教え子たち。
しかし、
戦争と貧困の過酷な時代に巻き込まれ、
ある生徒は遊女として売られ、
ある生徒は失明し、
ある生徒は戦死する。
かつては、
輝いた小さい瞳で見つめてきた教え子たちに対して、大石先生は応えられるのか。
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ハイカラな先生として
颯爽と自転車で登場してきた大石先生が、
なにも出来ない。
最後には、泣きみそ先生と呼ばれる。
戦争時代の犠牲になっている
教え子に対して、
何もしてあげられない。

怒りや悲しみを前面に出さずに
絶え間ない生徒への愛情持つ
大石先生の無力感と悔しさが
ひしひしと伝わってきて、
名作でした。

書評(10点中) 7点

伊豆の踊子 (集英社文庫) (集英社文庫)表紙
伊豆の踊子
川端康成
集英社
発売日:1977-05-20
定価:¥ 600
284ページ
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(注.何のことかよく分からないと思うので、
前回の感想を読んでからお読み下さい。)

けったくそ悪い。
本屋に行くたびにナツイチのキャンペーンが目につきよる。

ん?
なんやこれは?
これが伊豆の踊り子やて?
あれ?
踊り子って、
こんな年増で、こんな男っぽかったっけ・・・
川端康成の好みからも逸脱してそるだろう・・・
誰だこいつ?
なんや、この花びらは?
こんなシーン、伊豆の踊り子にあったっけ・・・

いちいち癇にさわるヤローだ!
立ち読みで本を汚してやる。

ぺラッとな。

こっ、これは・・・ ←美味しんぼ(アニメ)で、料理を口に入れた効果音

写真、年表、
なっ、なんて、充実した本の手引きや
まるで、昔の高校生のころ読んでたナツイチの冊子のようや・・・

-------↓美味しんぼ(アニメ)で料理を食って独白してる時の効果音始まり

そうや、
高校生の
お金もなく、本が買えんかったころ、
夏休みで学校の図書館で本が借りれんなかで、
繰り返し読んだんは、この冊子やった。

少ないお金でいい本を買うために、
表紙を眺めながら、
解説を何度も読んで、
内容を想像したもんやった。

本は買えんでも、幸せやった。。。

それが、今はどうや。
金にものを言わせて、
冊子もろくに読まず
ラインナップした本を買うだけになって、
わいは、
いつのまにか、
ほんとうのナツイチの楽しみを見失ってしまってたんや。

---------↑美味しんぼ(アニメ)で料理を食って独白してる時の効果音終わり
---------↓美味しんぼ(アニメ)で改心した時の効果音始まり

集英社はん、目が覚めました。

わいは、冊子を読みます。
読みまくって読みまくって、
題名と表紙から、
自分で物語が作るぐらい想像します。

こんなことを言うと自分勝手かもしれまへんが、
集英社はん、
来年もまた、わいを楽しませてください。

---------↑美味しんぼ(アニメ)で改心した効果音終わり

書評(10点中) 伊豆の踊り子 7点
書評(10点中) 招魂祭一景 3点
書評(10点中) 十六歳の日記 5.5点
書評(10点中) 死体紹介人 5点
書評(10点中) 温泉宿 5.5点

僕は、感想文で誰としゃべってるんだろう・・・

で、感想。
最近、赤毛のアン感想文コンクールが開催されてて、
せっかくだし、
そろそろ感想を世に問おうと応募を考えていました。
で、書いてみると、
「アンは大変魅力的だ。」
「アンはとても可愛い。」
誉めれば誉めるほど、
感想文全体がロリコンぽくてなってキモい。

困って、最初に、断りを入れることも考えた。
「私はロリコンではない。しかし、アンは大変魅力的だ。」
しかし、
これは、脈絡もなくいきなり読む人に、どーなんだろう。
こんなもん、万が一本名で表彰されると、社会的にヤバい。

知らなかった。
おっさんが、少女主体の小説の感想を書くのがこんなに難しいなんてorz

で、
参考になると思ったのが、
青年が、少女を観察しながら、
日本文学で大変評価を得ているこの小説。

伊豆の踊り子を真似した赤毛のアンの感想文。
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アンは孤児で引き取り先をてんてんとして、
最初はとんでもないあばずれを想像しました。
しかし、赤毛の髪を、緑色に一生懸命染めているのを見て、
私は、ことこと笑った。まだ子供なんだ。
ギルバートとアンの一挙一動に、私は目を光らせた。
アンの言外に何があるかを、闇を通して見ようとした。
アンの今夜が汚れるかと悩ましかった。
終盤になると、これでアンともお別れかと思うと、わけもなくぽたぽた涙が落ちた。
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う~ん、アンの感想文コンクールは見送ろう。

星を継ぐもの (創元SF文庫)表紙
星を継ぐもの
ジェイムズ・P・ホーガン
東京創元社 1980-05
定価:¥ 693
309ページ
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SFを代表すると言われる作品で、
東京創元社文庫の
ベスト・セレクションフェアで
2005年、2006年、2007年と連続で唯一入っている。

読む前から、定番の小説で失敗しないと思ってたが、
期待以上に面白く、
予想外のラストがすごい。
読み終わっても、
遠い、宇宙と古代へと思いをめぐらせてしまう感じがいい。

読まないともったいないと思う小説の一つ。

世界中が注目している重要な会議に
まるで、その一員として
参加している気分にさせてくれる。
各分野の学者が難しそうな話してても、
わかったつもりになれるように書いている。
発想もすごいけど、
小説家としての腕もすごい。

ちなみに、
映画のZガンダムⅠのサブタイトルは
「星を継ぐ者」を元につけているらしいが、
映画の最初に漂っているノーマルスーツは、
小説からモチーフをえているみたい。
(ZガンダムⅡ「恋人たち」はフィリップ・ホセ・ファーマーという人の小説のタイトルらしい)

書評(10点中) 7点

十角館の殺人同様
「あんまり書くと、小説の面白さを損ないそうなので書かないけど」
と書こうと思ったんだけど、
だったら、なんで読書感想文をネットで
公開してんだろうと思った。

タイムマシン (角川文庫)表紙
タイムマシン
H.G. ウェルズ
角川書店
発売日:2002-06
定価:¥ 500
270ページ
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手塚治虫は「火の鳥」で西暦3404年、一度人類を死滅させ、
田中芳樹は「銀河英雄伝説」で西暦2801年に宇宙暦1年として生活圏を太陽系外に移し地球を辺境とする。
(機動戦士ガンダムは、西暦2045年が、UC1年という説が昔はあったらしい)
SFで、未来人類をどう書くのか興味があります。

おそらく、現在の作家が未来を描写する場合、
環境問題や、強力な破壊兵器が存在する以上、
地球に生活圏では、西暦が5000年も続くと考えないと思う。

この小説は、
環境問題や、強力な破壊兵器が存在せずに、
地球の生活圏に危機感を持たなくてもすんだ昔の作家が
802701年、地球の未来を描いた小説。

人類は快適な安易な生活を求め、安定して永続的な調和の取れた社会という標語のもとに、たゆまず努力して、その目的を達した――それがこんな結果を招くとはね。
(角川文庫 P100より)

人類は自然を征服した。
社会は資本家と労働者に分かれ、
労働者は地下に押し込まれて労働を強いられ、
目的がなくなった資本家は行動する必要がなくなり退化していった。

この小説の面白いと思ったところは
目の前の光景を見て、
なぜ、人類がどのような歴史をたどってこうなったかを
主人公が考えているところ。

確証がとれないのだから、
しょうもないものを見て、
もっとむちゃくちゃな推論があっても
面白かったかもしれない。

(ところでドラえもんのタイムマシンで人類滅亡の未来まで行った事あったのかな?)

書評(10点中)
タイムマシン 7点
盗まれた細菌 3点
深海潜航 4点
新神経促進剤 4点
みにくい原始人 2点
奇跡を起こせた男 4点
くぐり戸 6点

あすなろ物語 (新潮文庫)表紙
あすなろ物語
井上 靖
新潮社
発売日:1958-11
定価:¥ 460
224ページ
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たまたま時期悪く読んで、
おお泣きしてしまった、小説。

本屋で本を探していると、
この本の解説が、
「あすは檜になろうと念願しながら、永遠に檜になれないという悲しい逸話を背負った"あすなろ"の木に託して、...」
って書いてて、
あれ?漫画の
「第三野球部」
では、
あすなろって、あすはなろうという姿勢が大事で
結果は二の次みたいな扱い方じゃなかったかな?
有名な小説だから聞いたことはあったけど
まだ読んだことなかったな
って目にとまった。

あすなろが悲しい木?どういうことだろうと、
読んでいくと、
机の前に克己と書いて勉学に励んでいる少年が、年上のお姉さんに

「教えてあげるわよ、誘惑って知っている?勉強する人誘惑するの、面白いからよ」
新潮文庫P38

って、骨に抜きにされて、「いいよ、勉強はあすやるよ、あすやる」みたいな悲しい話やったんか!
...、ちゃうかった。

と、いやらしい話、
これを(やったんか!...、ちゃうかった。と)2,3章続けてると
感想一個できるわ。
感想が安上がりの小説に当たってよかったで。
感想の筋書きができたので
後書きやすいなと思って、
最後の名シーンを読んで一章終えた。
↓一章最後のシーン

「あすは檜になろう、あすは檜になろうと一生懸命考えている木よ。でも、永久に檜にはなれないんだって!それであすなろうと言うのよ」
と、多少の軽蔑をこめて説明してくれたことが、その時の彼女のきらきらした眼と一緒に思い出されて来た。
あすなろの木の下で二人が横たわっているそのことに何の意味もあろう筈はなかったが、その木の命名の哀れさと暗さには、加島の持つ何かが通じているように鮎太には思われた。
新潮文庫P42

時期が悪かったことに、
「スローカーブを、もう一球」にも影響され、
親に、
「受験生のころみたいな崩れた生活リズムになるかもしれん。
久しぶりにまたやるわ。」
と、久しぶりにやる気を出しかけてたとこだった。

たまたま同僚と飲みに行った。

だいぶ飲んでると
急に「あすなろ」の哀れさが身にしみてきた。

今のままでは劣等感に押しつぶされそうで、
明日は何かになろうとしても、
永遠になれない力のなさ。
だいたいが、あつかましくも、
心の中では、檜になれると思っている浅ましさ。
なれない雲の上のものやのに永遠に足掻いてるって、
いつまでやってんねん。
もう、いい年やないか。
もういい、もういい。
でも結局は明日はなるって思ってないとやってられない。

わかる。わかるぞ、あすなろ!

バーで音楽聴いて気分が高揚してたのもあったけど、
トイレで、どばーっと涙が出てきた。
店の人がトイレで何してんねんって心配するぐらい
涙がとめどなくでてきた。

「第三野球部」の解釈のように
結果を求めずがんばってると、
あすなろは立派な木と見るのはうまくまとまって、奥行きがない。
望みがないのに永久にがんばってる「あすなろ」を
哀れで可哀想という見方で考えると
すごく泣けてきた。

読んだ時期が悪かった。
せめて、読みきってしまっていれば
泣くような小説でもなかったのに。

書評(10点中) 7点

やる気が出てきたので久しぶりに
速読日記復活。
まず、さっさとホームページ作り上げちゃうことにしました。

朗読者 (新潮文庫)表紙
朗読者
ベルンハルト シュリンク
新潮社
発売日:2003-05
定価:¥ 540
258ページ
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ぼくはハンナの犯罪を理解すると同時に裁きたいと思った。しかし、その犯罪は恐ろしすぎた。理解しようとすると、それが本来裁かれるべき形では裁けないと感じた。世間がやるようにそれを裁こうとすると、彼女を理解する余地は残っていなかった。でも僕はハンナを理解したいと思ったのだ。
新潮文庫P180より

戦争をどう受け止めるか。
戦争は、
戦争未経験者である
この本の主人公の心情のように
経験と結びつく点がないので
想像力がうまく働かない。
知った風に
「戦争って悲惨ですね」
っていうのも
戦争→悲惨
って、合言葉みたいに
何も考えても言えるので
問題なんじゃないかと思う。
戦争について
受身として聞いたり読んだりしても
知識として知るだけで、
「戦争は痛そうですね」
ぐらいが想像力を働かす精一杯。

自分と戦争が、
実体験と直接結びつかない。
結びついて、
あぁ悲惨だでは手遅れなんだれど。
この本は
「愛した人が戦争犯罪人だったらどうしますか?」
をモチーフに
過去の戦争と無関係の立場をとるわけでも
戦争を糾弾する立場をとるわけでもなく、
直接戦争じゃなく、
愛した女性を挟んで戦争をとらえることで、
戦争体験のない読者にも
戦争について自発的に考えさすことに成功していると思う。

初読だけど
再読する価値のある名作と思う。

書評(10点中) 7点

だから、あなたも生きぬいて 大平光代だから、あなたも生きぬいて
大平光代
講談社 2003/05
定価:¥ 580

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「昔は悪かった」 とか、 人の道を外して波乱万丈に生きてきたことや、 自分の非行履歴から立ち直ったことを、 自慢げに言ってる人に対して なんか分からない違和感がありました。

「だから、あなたも生きぬいて」
も、
私は非行から立ち直って成功しました。
「だから」、(私のように)あなたも生きぬいて
という、意味かと思い、
上から目線の書名が不愉快でした。

じゃあ、この人のゴールは何?
自分の何を栄光と思って、
自分を手本にしなさいみたいなこと言ってんの?
と、
最後の終わり方が非常に気にして読みました。

で、
読むと、いい小説だった。
完全に書名から思い違いしてました。

終章は「後悔」で終わるように、
自分の人生を成功だと思っていない。

この小説を読んで、
(まったく、人の迷惑にならない、
人に心配をかけない人生を波乱万丈と呼ばないとして)
人の道を外れて波乱万丈の人生を
自慢げに言う人への違和感が分かった気がしました。
人に申し訳ない。心配をかけてしまった。
と言う気持ちがわかないのかなと言うことです。
自分が立ち直ったから、
すごいであって、自己完結してる。

もし、迷惑をかけた人が生きていて、
許してくれるなら、
少しは自分の気ははれるかもしれない。
しかし、更正する前に、
迷惑をかけた人が死んでしまったら、
どんなに更正しても許されることはない。
一生悔やみながら
生きていかなければならないのに、
いや~、昔はやんちゃでした。
と、笑って済ませれるような、
それをかっこいいと思わせる風潮に
違和感を感じていたんだと思います。

この小説は、
過去に道を外れてしまったことを後悔して、
一生罪悪感を背負いながら、
残った母親への孝行を誓って終わっている。

生きていれば
いつでも、探せばチャンスはある。
今までの、償いができる。
生きていることだけでも、親孝行だ。
「だから」あなたも生きぬいて
という書名なのかなと思った。

久しぶりに半泣きになりながら小説を読みました。

書評(10点中) 7点
読みやすさ +0.5点
趣味は「読書」:だから、あなたも生きぬいて

燃えよ剣 (下巻) 司馬遼太郎燃えよ剣 (下巻)
司馬遼太郎
新潮社 1972/06
定価:¥ 660

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一つの方法として、戦後、天皇陛下に戦争責任を押し付けるということが有効だったんじゃないかと思った。 ドイツがヒットラーを悪者にしているように 中国、韓国などの謝罪を求めるのに対して、 国家的な責任ではなく、 スケープゴートをたてて個人に責任をなすりつけることが出来る。 実際の東京裁判では正反対に罪を被せなかった。 尊いんだけど、 そういう手段は考えつかなかったんだろうか。

ってわけで、この本を再読しました。
新撰組は、指揮系統を副長の土方歳三がまとめて、
すでに出来上がったピラミッド構造の上に、
余分な石の局長・近藤をのせている組織図になっている。
今でいえば、企業が不祥事を起こして、すみませんでした。
トップは辞任しますっていって、
トップ(新撰組なら近藤)が交代しても、組織は変わらない。
ポーズだけの辞任が出来て、トップは責任をとって切り捨てるだけの、
とかげのしっぽみたいな使い方が出来る。

なら、戊辰戦争の時、悪かったのはこいつだけです。って、
近藤を差し出します、怒りを静めてください
って向きがなかったのかなって、非常に疑問を思った。
三国志なんかは、
防戦の大将「最後の一兵まで戦ってくれるわ!」
防戦の兵士「ごめん!」(大将の背中を押して城砦から突き落とす)
防戦の大将「あれ~」。グシャッ。死亡。
防戦の兵士「降伏します」
ってのがよくあったイメージがある。
横山光輝の三国志35巻とか(←古本屋で調べた)

ちなみに、読み返したが、
兵士は逃亡はしても、
将の首を手見上げにする向きはまったくない。
日本人の美徳なんかなと思った。

この本の主人公の土方は
敵将(伊東甲子太郎)の死骸を道端にさらして、
死体を餌にして、
死体を回収しに来た元部下を待ち伏せして切り殺す。
敵に対しては恐ろしく残酷。

再読
書評(10点中) 7点
(注.ここの書評は司馬遼太郎に点数が甘いです。)
趣味は「読書」:燃えよ剣

わが名はレッド シェイマス スミスわが名はレッド
シェイマス スミス
早川書房 2002/09
定価:¥ 714

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「ああ、なるほど、記憶をちょっとばかり選り分けたわけだ。よくある話さ。人間の良心てのは、びっくりするほど健忘症に甘いからな」 ハヤカワ文庫P243
ある赤ん坊が誘拐された。 誘拐犯は、医者を脅し、出生届を偽造させて、 赤ん坊とは面識もない女性を 誘拐した赤ん坊の戸籍上の母親として仕立て上げた。 女性は知らぬ間に母親になり、 赤ん坊は修道院で捨て子として育てられた。 約20年後、修道院で成長した少女は、 戸籍上の母親の存在を知るように仕向けられ、 生みの母であると疑うことなく、偽者の母親のもとを訪ねた。 そして、誘拐犯・レッド・ドックの復讐劇が始まった。 というお話。

復讐っていうのは、テーマとして面白い。
けど、あんまり、日本の小説にはそぐわない気がする。
いじめられて、
「このうらみはらさでおくべきか」の
魔太郎みたいなスケールぐらいしか
そもそも、日本に復讐するほどの土壌がない。
ゲームの「弟切草」も、
花言葉は「復讐」とかひっぱるのに
怪物の家族が騒いでるだけで、復讐?って気がする。

この小説は、
外国の修道院の虐待という背景があっての小説。

拷問の方法で、
アリの巣の近くで、
口を開けた状態で生き埋めにして、
アリに、胃の中の食物を気づかせた後、
内臓の中に大量のアリを這わすって
拷問の方法は想像もつかなかった。

書評(10点中) 7点
趣味は「読書」:わが名はレッド

理由 宮部みゆき理由
宮部みゆき
新潮社 2004/06/29
定価:¥ 900

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磁石が砂鉄を集めるように、「事件」は多くの人々を吸い寄せる。 新潮文庫 P93より
昔、宮部みゆきの「火車」を読んで、 一番、作家として難しいところで筆を置いているので卑怯だ。 と、宮部みゆきの話題になると、偉そうに公言してました。 恥ずかしい。 (一方、「魔術はささやく」ええわぁっとも言ってたんですが)

でも、「理由」を読んで、
あぁ「火車」はあそこで終わるの
当然だったんだなと納得しました。
どうしても、ミステリーは、
探偵と犯人は個性があって、犯人は個人的な動機があって、
という、イメージがありました。
しかし、「理由」は、
個人的な事象を扱っていない作品で、
各キャラクターには過去を持たせ、
個性を与えながら、
必要以上にキャラクターを引立たてない。

また恥をかくかもしれないけど、
八代祐司は、もうちょっと。。。

書評の点数は名作で6点。
これ以上は、自分の個人的なつぼにはまるかどうかの基準でした。
でも「理由」は、自分のつぼでは決してなかったですが、7点。
飛びぬけてる。
こういう作家が同時期にいると、新作が楽しみでうれしい。

書評(10点中) 7点
趣味は「読書」:理由

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