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TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)表紙
TUGUMI(つぐみ)
吉本 ばなな
中央公論社 1992-03
定価:¥ 480
245ページ
アマゾンで詳細を見る

12年もの間、
恨みにも似た感情を抱いていた小説。

普通、小説がどんなに面白くなくても、
恨むほどのことはない。
この小説は、まず高校の時に読んで、
それから1996年のセンター試験の小説で出くわしてしまったのだ。
問題文を見た瞬間、
うわー、読んだことある小説が出題されたのを自慢しよう。
と思った。
その後、問題文を解く段になって、
血の気が引いた。
問題文から判断すると、答えは1だが、
小説全体を読んだことがあるなら、答えは2だ。
みたいな問題があったのだ。

俺はこの小説を知っているという、
他の受験生に対する変な優越感から、
小説全体のイメージを大事にしてしまい
結局、小説に時間ばっかり食って、
小説で2,3問間違った。
あの問題は間違っている。
何、あの問題?
出題者、小説全部読んでないんちゃうか。
と、12年間引っかかっていた。

その後、
センター試験の現国が他の点数と反比例して落ちていくにつれて
恨みは積もっていった。
(趣味は「読書」なんてHP作っているわりに、僕は現国の点数が極端に悪いんですが、また機会があったら書きます。)

で、
このブログでさんざんこき下ろしてやろうと
もう一回読んでから、
もう一度問題を解くことにした。

読むと、
あれ?
キスシーンがあって、ばか、そこは鼻だ
みたいなエピソードなかったっけ?
パラパラとページを戻しても、
読み飛ばしたわけでもない。
考えていると、
赤川次郎の「殺人よ、こんにちは」のエピソードやったような。。。
たぶん、
「TUGUMI」と「殺人よ、こんにちは」を
ごちゃ混ぜにしていたみたい。。。
両方読んだ人は分かってもらえると思うんだけど、
特に最後の方、ストーリー展開が似てるんですよ。。。

この段階で、
もう、問題解かなくていいかな。
と思ったんですが、
寒い中、図書館に行って、過去の新聞で
センターの問題を解いてみました。
全問正解しました。
特におかしい問題はなかった。
たぶん、引っかかってたのは、
つぐみが「おまえを好きになった」とあるが、この言い方にこもったつぐみの気持ちを端的に整理するとどうなるか?
1、乱暴と自信
2、照れと率直
3、単純と悲哀
4、媚と喜び
5、決断と高慢
無理やり探すと、この問題のような気がする。
(正解は照れと率直で、決断と高慢と答えた気がする)
つぐみに照れって言うのはそぐわない気もするが、
言う直前につぐみは顔を赤くしている。
顔が赤いのは熱のせいとしても、高慢でまりあが涙が出そうになるはずがない。

12年も逆恨みしてました。
みじめ。

で、小説ですが、
薄幸の少女を
活き活きと描いて面白かった。
最終章、
そうとう期待させて、
いまいちだったのがすごく残念。

再読
書評(10点中) 5点
読みやすさ +0.5点

中吊り小説 (新潮文庫)表紙
中吊り小説
吉本 ばなな
阿刀田 高
椎名 誠
村松 友視
高橋 源一郎
新潮社
発売日:1994-12
定価:¥ 460
271ページ
アマゾンで詳細を見る

東京で電車の中吊りポスターとして
掲載していた短編集。

中吊り小説なので、
電車に関わる話が多い。
けど、中吊りポスターだから出来たというほどの
奇抜なのはなかった。

最近東京では、
電車にテレビモニターがついている。
宣伝だけど、映像なので
まだ、そっちの方が面白いぐらい。

こういう、いろんな作家が一冊で読めると、
あっ、この人面白いな、次ぎ買おうかな、
この人は読みたくないなとか、
好みが合うかどうか分かってありがたい。

この小説なら、
阿刀田高、森瑤子がいいなと思いました。

今回のは、そんなにひねったストーリーでもなかったけど、
阿刀田高はこういう企画ものの短編小説となったら、
国内では敵なしって感じがする。

書評(10点中)4点

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