さ行の作家: 2006年3月アーカイブ

燃えよ剣 (下巻) 司馬遼太郎燃えよ剣 (下巻)
司馬遼太郎
新潮社 1972/06
定価:¥ 660

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一つの方法として、戦後、天皇陛下に戦争責任を押し付けるということが有効だったんじゃないかと思った。 ドイツがヒットラーを悪者にしているように 中国、韓国などの謝罪を求めるのに対して、 国家的な責任ではなく、 スケープゴートをたてて個人に責任をなすりつけることが出来る。 実際の東京裁判では正反対に罪を被せなかった。 尊いんだけど、 そういう手段は考えつかなかったんだろうか。

ってわけで、この本を再読しました。
新撰組は、指揮系統を副長の土方歳三がまとめて、
すでに出来上がったピラミッド構造の上に、
余分な石の局長・近藤をのせている組織図になっている。
今でいえば、企業が不祥事を起こして、すみませんでした。
トップは辞任しますっていって、
トップ(新撰組なら近藤)が交代しても、組織は変わらない。
ポーズだけの辞任が出来て、トップは責任をとって切り捨てるだけの、
とかげのしっぽみたいな使い方が出来る。

なら、戊辰戦争の時、悪かったのはこいつだけです。って、
近藤を差し出します、怒りを静めてください
って向きがなかったのかなって、非常に疑問を思った。
三国志なんかは、
防戦の大将「最後の一兵まで戦ってくれるわ!」
防戦の兵士「ごめん!」(大将の背中を押して城砦から突き落とす)
防戦の大将「あれ~」。グシャッ。死亡。
防戦の兵士「降伏します」
ってのがよくあったイメージがある。
横山光輝の三国志35巻とか(←古本屋で調べた)

ちなみに、読み返したが、
兵士は逃亡はしても、
将の首を手見上げにする向きはまったくない。
日本人の美徳なんかなと思った。

この本の主人公の土方は
敵将(伊東甲子太郎)の死骸を道端にさらして、
死体を餌にして、
死体を回収しに来た元部下を待ち伏せして切り殺す。
敵に対しては恐ろしく残酷。

再読
書評(10点中) 7点
(注.ここの書評は司馬遼太郎に点数が甘いです。)
趣味は「読書」:燃えよ剣

燃えよ剣 (上巻) 司馬遼太郎燃えよ剣 (上巻)
司馬遼太郎
新潮社 1972/05
定価:¥ 700

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攘夷・尊王などイデオロギーばかり肥大化し、 殺人が日常化していた幕末の京都。 「御用、御用」と時代劇では元気な御用聞が、 十手を隠してふるえていた。 そんな京都で浮浪集団にすぎない新選組を 攘夷・尊王もなく鉄の殺人集団を作り上げた鬼の副長土方歳三のお話。 生前、司馬遼太郎が自身の作品で気に入ってる作品は?と聞かれ 「燃えよ剣」と「空海の風景」の二作をあげてたといわれている。
「敵と刃をかわし、敵を傷つけ、しかも仕止めきらずに逃がした場合」 「その場合どうなります」 「切腹」 と、歳三はいった。 (略) 隊士にすれば一たん白刃をぬいた以上、面もふらずに踏みこみ踏みこんで、ともかく敵を斃す以外手がない。 「それがいやなら?」 「切腹」 「臆病なやつは、隊がおそろしくなって逃げだしたくなるでしょう」 「それも第二条によって、切腹」 これが、公示された。 新潮文庫 P310より
孫子の兵法の作者と言われていた孫武が 楚の王は孫武の実力をはかるため 妾で陣立の演技の指揮を執らせたが、 妾はふざけあって指揮に従おうとしない。 そこで孫武はリーダー格の王に最も愛されていた妾を切り殺した。 妾は緊張感を持ち見事な演技を披露したなど、 その他諸葛亮孔明など中国の兵法家は刑罰を重視していたと思う。 (孫子の兵法は孫ビンって人が書いたのが  最近有力な説になってるそうだけど) そういう面で、 今の学校の先生は体罰を禁止されて大変だなと思う。

僕は体罰はそれほど苦にならず、
叩かれるぐらいで忘れ物が減ったりしなかったが、
教室のみんなの前で、
忘れ物したものの字を尻でなぞる(尻文字)
規則があったときだけは忘れ物をしなかった。

「忘れ物をしたら?」
「尻文字」
「学校がおそろしくなって逃げだしたくなるでしょう」
「それも第二条によって、尻文字」

話がそれたけど、
新選組は刑罰の点で強烈。
とにかく切腹。
幕末に、
親に「いつまでチャンバラやってるつもりや!」
って怒られて、
とにかく就職したところが新選組だったら、どうしようかと思う。
定年あんねやろかとか。

初読の時は、
土方のかっこよさと、近藤のあほさばかりが目立ったが、
この年で、読むと、近藤の気持ちがわかる。
一目を置かれようとして、一座で一番馬鹿なのに、
なんとか知ってる振りして余計馬鹿を披露してるとろ。
近藤のばかなのに一生懸命背伸びしているところが
あわれで涙を誘う。

再読
書評(10点中) 6点
読みやすさ +0.5点
燃えよ剣 (下巻)の読書感想文
趣味は「読書」:燃えよ剣

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